税制改正のプロセス
- tfc082
- 3 日前
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日本国憲法の第84条では、次のように
規定されています。
「あらたに租税を課し、又は現行の租税
を変更するには、法律又は法律の定める
条件によることを必要とする。」
つまり、税の制度を新設したり変更する
場合には、その制度変更は法律の改正に
あたるため、国会審議を経る必要がある
ということであります。このことは一般
的に「租税法律主義」と呼ばれる考え方
であり、理念であります。
この理念のもと、我が国における税制改
正が行われることになりますが、今回は
その税制改正の流れを説明したいと思い
ます。
まず、例年8月末を目途に各府省庁から
税制改正(税制の廃止縮減、新設拡大)に
関する要望が与党の税制調査会に提出さ
れることになります。
そこで審議を経て取りまとめられた内容
が毎年12月中旬に「与党税制改正大綱」
として公表され、内閣の閣議に提出され
ることになります。
その後、閣議決定されたものは「税制改
正の大綱」として公表されるとともに、
国税に関連するものは財務省で、地方税
に関連するものは総務省で改正法案が作
成されます。
その改正法案は、衆参議員のいずれかに
提出され、そのいずれかの財務金融委員
会又は総務委員会における審議を経て、
本会議に付議・可決されることになりま
す。
その後、他方の議院に送られて、同様の
プロセスを経て付議・可決されると、そ
の改正法案が成立公布され、改正法に定
められた日から施行されるという流れに
なっています。
改正税法に関しては、
成立公布は3月31日で、施行は4月1日
からとされているものが多いです。
まとめると、以下のとおり
8月末 各省庁からの要望の締切
12月末 与党税制改正大綱の公表
3月末 改正法案の成立
4月(10月)初 改正法案の施行
というスケジュールとなっています。
ここで税制調査会には、政府と与党の2
つがあることに注意してください。
上記の通り、税制改正のプロセスに直接
コミットするのが与党税制調査会であり
そのメンバーは与党議員であります。
対して、政府税制調査会は長期的な展望
のもと、将来的な税制はこのような体制
を組むべきとの提言を行なうためのもの
であり、そのメンバーには学者、大手監
査法人の会長、税理士、経済アナリスト
などが名を連ねています。

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