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所得税の考え方①

  • tfc082
  • 3 日前
  • 読了時間: 2分

現在の日本の所得税法は、「包括的所

得概念」と呼ばれる「所得」の考え方

を採用しています。

これは平たく言えば、すべての収入な

どをベースにして所得額を計算しよう

とする考え方、概念であります。 

 

「所得」を定義する際に、競馬の当せ

ん金や懸賞の賞金などは、偶発的なも

のなので「所得」に含めないという考

え方(=制限的所得概念)を採用する

こともできるのですが、その考え方を

採用せず、現行の所得税法では、その

年の新たな経済的利得の全てを「所得」

とするという考え方を採用しています。 

 

所得税法は所得税額計算の出発点とし

て「その所得を利子所得、配当所得、

不動産所得、事業所得、給与所得、退

職所得、山林所得、譲渡所得、一時所

得又は雑所得に区分」していますが、

34条1項の一時所得については、次の

ように定義しています。 

 

「利子所得から譲渡所得までの8種類

の所得以外の所得のうち、営利を目的

とする継続的行為から生じた所得以外

の一時の所得で労務その他の役務又は

資産の譲渡の対価としての性質を有し

ないもの」としています。 

 

つまり、一時的・偶発的な所得につい

ては、「一時所得」と定義し、「所得」

の考え方に含まれるものとしていると

いうことです。

ちなみに宝くじの当選金については

「当せん金付証票法」にて所得税を課

さないことが定められているため、一

時所得とする必要はないという取扱い

となりますので、ご注意ください。 

 

続いて、35条1項の雑所得については

次のように定義しております。 

「利子所得から一時所得までの9種類

のどれにもあたらない所得」としてい

ます。 

 

つまり、定義できる所得の類型を9種

類あげているものの、課税の対象とな

る所得はこの9種類に限られるもので

はなく、

それ以外については、「雑所得」とし

て取り扱うとしているということであ

ります。

換言すると、所得のうち、1~9に定義

されないものであっても、所得税法上

の「所得」として取り扱うということ

を示しています。 

 

冒頭に述べた「包括的所得概念」につ

いては、34条1項の一時的・偶発的な

所得も含むものであり、35条1項のき

ちんと区分されていないものについて

も所得であるということになっている

ことから、現行の所得税法は包括的所

得概念を採用していることの根拠とさ

れています。(②に続く) 

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